クロージングは、営業活動において成約率を高めるための重要なプロセスです。
クロージングには以下の5つのステップがあります。
- ヒアリング
- 商談
- テストクロージング
- クロージング
- 契約締結
本記事では、それぞれのステップの詳細を解説するとともに、クロージングの基本テクニックや成功率を上げるコツについても紹介します。
さらに、クロージングに関する注意点や顧客の疑問や悩み解消の重要性についても触れます。
正しいクロージングの方法を身につけることで成約率の向上につながり、営業活動の成果を最大化することができるのでぜひ参考にしてみてください。
営業のクロージングとは?
営業のクロージングとは、営業活動の最後の段階で見込み客から契約や購入を実現するためのプロセスです。
つまり、見込み客との商談を最終的な契約や取引に結びつけることを指します。
これは営業活動において非常に重要なステップであり、顧客との信頼関係を築くために必要不可欠なプロセスです。
クロージングのポイント
クロージングには、相手との信頼関係の構築、ニーズや要望の把握、顧客の疑問や不安の解消、価格やサービス内容の提示、最終的な成約の促進など、様々なポイントがあります。
クロージングのポイントをしっかりと把握することで、効率的かつ効果的な営業活動を行うことができます。
自分自身や相手とのコミュニケーション能力の向上、顧客ニーズに対する深い洞察力、論理的思考力などが求められます。
クロージングの流れ
営業のクロージングは、見込み客との商談を最終的な契約や取引に結びつけるためのプロセスです。
クロージングの流れは、以下のようになります。
- 見込み客が商品やサービスに興味を持っているかどうかを確認
- 抱える問題や課題に対して商品やサービスがどのように解決できるかを提案
- 反応を確認し、さらに質問や疑問に対して回答を行う
- (契約や購入に前向きな場合)商品やサービスの説明や価格など最終的な条件交渉を行い契約や取引の実現に向けて進める
クロージングの流れをスムーズに行うためには、見込み客との信頼関係を築き、適切な提案やアプローチを行うことが大切です。
1.ヒアリング
ヒアリングとは、見込み客が抱える問題や課題を理解するために質問を投げかけ、情報を収集することを言います。
見込み客のニーズや要望を正確に把握し、そのニーズに合わせた提案やアプローチを行うことが重要です。
十分な準備と丁寧な質問・聞き取りを行うことが成功につながるポイントとなります。
2.商談
商談とは、商品やサービスについて見込み客との間で情報交換や意見のやりとりを行うプロセスです。
ここでは見込み客との共通の目的を見つけ出すことが重要です。
また、商談の中で見込み客が抱える問題や課題に対して、商品やサービスがどのように解決できるかをアピールすることで価値を提供することができます。
3.テストクロージング
テストクロージングとは、見込み客に対して商品やサービスの利点や特徴について詳細に説明し、購入意思の有無を確認することを言います。
見込み客の反応を確認するために重要なステップであり、契約締結や取引実現に向けての展望をつかむための手法です。
4.クロージング
見込み客に対して最終的な契約や取引の実現を目指すプロセスです。
クロージングでは商品やサービスの詳細な説明や価格、納期などの最終的な条件交渉を行い、契約や取引を成立させます。
見込み客の購入意思を確認し、その意思を固めるために適切なアプローチを行うことが大切です。
5.契約締結
契約締結は、クロージングで成立した取引の最終確認として、双方が合意した内容を正式に書面化することを指します。
契約締結は取引実現に向けた最終ステップであり、取引の成立を確実にするために重要なプロセスです。
契約書には、取引内容や価格、納期、支払条件、返品・キャンセルに関する条件などが記載されています。
クロージングの基本テクニック
クロージングには様々なテクニックがありますが、その中でも基本的なテクニックをいくつか紹介します。
1.ゴールデンサイレンス
ゴールデンサイレンスは、クロージングにおいて非常に有効なテクニックの1つです。
このテクニックは、見込み客が決断するまでの間、営業担当者が黙って待つことを指します。
見込み客が迷っているときや、決断を下す前に追加の情報を求めているときに有効です。
このテクニックを使用することで、営業担当者が余計なプレッシャーや影響を与えることを避け、見込み客が自分自身で決断する時間を与えることができます。
2.ifクロージング
Ifクロージングは、見込み客がまだ決断を下せていないときに有効なクロージングテクニックの1つです。
このテクニックは見込み客に質問を投げかけ、その回答に基づいて次のアクションを提示することで契約締結へと導く方法です。
例えば、「もし私たちのサービスがあなたのビジネスに適していると思われたら、いつから利用を開始できますか?」というように、見込み客に自分自身で前向きに考えるきっかけを与え、自然な形で契約締結につなげることができます。
Ifクロージングはあくまでも見込み客の意思決定を尊重することが重要であり、押し売りや無理なプレッシャーをかけることは避けるべきです。
3.松竹梅の法則
松竹梅の法則は見込み客に選択肢を提示する際に、その中から最適な選択を選ぶことを促すためのクロージングテクニックの1つです。
このテクニックは3つの選択肢を提示し、その中から見込み客が最も適した選択を選ぶことを促す方法です。
このテクニックの名前の由来は、松が最も良い、梅がまずまず、竹が最も悪い選択肢を示すことに由来します。
松竹梅の法則は、見込み客が悩んでいるときや、決断を下す前に追加の情報を求めているときに有効です。
4.損失回避の法則
損失回避の法則は、クロージングにおいて非常に有効なテクニックの1つです。
見込み客が損失を回避するために決断する可能性が高いという心理的な傾向を利用して、契約締結へと導く方法です。
具体的には、「このチャンスを逃したら、あなたのビジネスにどれだけ損失が生じるかを考えてみてください」といったように、見込み客がビジネス上の損失を回避するために契約を締結することを促すアプローチを取ります。
5.ドアインザフェイス
ドアインザフェイスは、最初に大きな要求を断られた後、小さな要求を提示することで見込み客の意思決定を促すクロージングテクニックの1つです。
例えば、「100万円の契約を締結していただけないでしょうか?」という大きな要求が拒否された後、「それでは、今回は10万円のプランをご検討いただけますか?」といったようにより小さな要求に変更することで、見込み客により受け入れやすい選択肢を提示します。
見込み客に無理なプレッシャーや押し売りをすることは避け、相手の意見や感情を尊重することが必要です。
クロージングの成功率を上げるコツ
クロージングの前には準備をしっかりと行い、クロージングの流れやテクニックを熟知しておきましょう。
自信を持ち、積極的にアプローチすることで、成功率を高めることができます。
1.BANT条件を確認する
BANT条件は
- Budget(予算)
- Authority(権限)
- Need(必要性)
- Timing(タイミング)
の4つの要素からなる、見込み客の購買意欲を判断するための基本的な条件です。
クロージングにおいては、まずBANT条件を確認し、見込み客が実際に商品やサービスを購入する意欲があるかどうかを把握することが重要です。
2.決断できない理由をなくす
クロージングがうまくいかない理由の1つとして、見込み客が決断できない場合があります。
この場合、見込み客が決断できない理由を明確にし、それを解決することが重要です。
例えば、見込み客が不安を感じている場合は、商品やサービスに関する質問に答えたり類似の事例を紹介することで不安を解消することができます。
3.購買意欲を直接確認する
クロージングにおいて、見込み客の購買意欲を直接確認することは非常に重要です。
これにより、見込み客が本当に購入意向を持っているかどうかを確認し、それに応じたアプローチを行うことができます。
例えば、見込み客に直接「ご購入いただけますか?」と聞くことで、明確な回答を得ることができます。
また、見込み客が購入を迷っている場合は「どうして迷っているのか?」という質問をすることで、見込み客の不安や悩みを把握し解決することができます。
購入意欲を持っている場合は、「どのようなタイミングでご購入いただけますか?」という質問をすることで、具体的なスケジュールを決定することができます。
4.自社製品・サービスの理解を深める
クロージングを成功させるためには、自社製品やサービスに関する理解が深まっていることが重要です。
理解が深まっていることで、見込み客に対して適切な説明やアドバイスを行い、購買意欲を高めることができます。
例えば、自社製品やサービスに関する詳細な知識を持ち、見込み客が持っている疑問や問題点に対して適切なアドバイスを提供することができます。
5.価格相場をすり合わせる
クロージングにおいて、価格相場をすり合わせることも覚えておきましょう。
見込み客が競合他社と比較して自社製品やサービスの価格が高いと感じている場合、クロージングを成功させることは困難になります。
価格相場をすり合わせることで、見込み客が自社製品やサービスの価値を正しく理解し、適正な価格で購入を決めることができます。
6.価格の話題はタイミングをみる
価格の話題はクロージングの過程で非常に重要なポイントですが、適切なタイミングで話し合うことが必要です。
見込み客がまだ自社製品やサービスについて十分に理解していない段階で、価格について話し合いをすると見込み客は価格に固執してしまい、自社製品やサービスの本当の価値を見落としてしまうことがあります。
そのため、クロージングの初期段階では、まず自社製品やサービスの利点や競合他社との違いなどを明確に説明することが必要です。
見込み客が自社製品やサービスの価値を正しく理解した後、価格について話し合いをすることが適切です。
7.クロージングに近いタイミングを見極める
クロージングに成功するためには、クロージングに近いタイミングを見極めることが必要です。
見込み客がクロージングに向けて興味を持っている段階でクロージングに関する質問をすることで、見込み客の興味を高めることができます。
また、見込み客が自社製品やサービスについての疑問や不安を持っている場合、それらを解決することで、クロージングの成功率を高めることができます。
8.YESBUT法を利用する
YESBUT法とは、相手の反応を肯定しながら、その後に自分の主張を加える手法です。
この手法を利用することで、相手の反応を肯定しつつ、自分の主張を上手く伝えることができます。
例えば、「確かにこの製品は魅力的ですが、私たちの予算に合わないかもしれません」という見込み客の意見に対しては、「ご心配なく、弊社はさまざまな予算プランを用意しております。あなたのご予算に合わせた最適なプランをご提案いたします」というYESBUT法を利用できます。
上手く利用することで、見込み客とのコミュニケーションを円滑にし、クロージングの成功率を高めることができます。
9.FSV話法を利用する
FSV話法とは、Feature(特徴)、Strength(強み)、Value(価値)の頭文字を取ったもので、自社製品やサービスの特徴や強みをアピールしそれが顧客にとってどのような価値があるかを説明する手法です。
クロージングの過程で見込み客が自社製品やサービスに興味を示している場合には、FSV話法を利用することで見込み客の購買意欲を高めることができます。
10.提案後に先方からの連絡を待ちすぎない
クロージングの過程で、提案や見積もりを渡した後に先方からの返答を待つ場合があります。
しかし、先方が連絡を返すのを待ちすぎると、見込み客の関心が薄れてしまうことがあります。
そのため、提案や見積もりを渡した後はできるだけ早いタイミングでフォローアップを行い、先方の関心を引き続き維持することが重要です。
11.普段から自分で練習する
クロージングは、提案や商談において最も重要なステップの一つであり、成功率を高めるためには熟練したテクニックが必要です。
そのため、普段から自分でクロージングに関する練習を行うことが大切です。
同僚や上司に対して提案を行い、フィードバックをもらうことも有効です。
クロージングに関する注意点
クロージングは営業において非常に重要なステップですが、注意すべき点もあります。
見込み客がまだ十分に製品やサービスを理解していない段階でクロージングを行うと、不信感を抱かれることがあります。
さらに成約率を上げるためのポイント
クロージングにおいて成約率を上げるためのポイントがいくつかあります。
まずは、見込み客のニーズや課題をしっかりと把握し、提案内容を具体的かつ明確に伝えることが大切です。
次に、見込み客に対して製品やサービスの利点を重点的にアピールすることが効果的です。
クロージング成功率の向上には顧客の疑問や悩み解消が重要
クロージングの成功率を上げるには、顧客が抱える疑問や悩みを解消することが非常に重要です。
顧客が自社の製品やサービスに対して抱える疑問や不安を解消し、納得して購入してもらうことが必要です。
そのためには、まずは顧客の要望やニーズをしっかりとヒアリングし、提案する製品やサービスのメリットを具体的に説明することが必要です。
さらに、顧客が不安や疑問を持っている場合には丁寧に回答し、その不安や疑問を解消することが大切です。
まとめ
クロージングは営業において非常に重要な工程の一つです。
適切なクロージングを行うことで、顧客の満足度を高め、成約率を上げることができます。
様々なテクニックがありますが、それらを上手く使い分け、状況に合わせたアプローチを行うようにしましょう。
クロージングは、営業において非常に重要な工程であるため、しっかりと学び、練習することで成果を上げることができます。