ビジネスが成長を続けるためには、営業活動と優れた営業マンが必要不可欠です。
優れた営業マンってどんな営業マン?
どのような資質やスキルがあるの?
優れた営業マンになるためにできることは?
この記事ではこれらの疑問に全てお答えします。
読み終わる頃には優れた営業マンのイメージが出来上がり、やるべきことが明確化するでしょう。
営業とは
営業とは企業等が利益を得るために継続して行う事業活動を指します。
具体的には販売、販売促進、マーケティングといった消費者、顧客、そして市場を対象にした活動のことです。
営業活動を通して企業の商品やサービスを売り、売上を上げ、企業の経営活動を支えます。
つまり、営業が企業の存続を左右すると言っても過言でないくらい重要な活動です。
現代はインターネットを通じて商品やサービスの情報、利用者の声を容易に入手できるようになりました。
顧客の課題をどれだけ解決でき、自社の製品やサービスを活用することでどのようなベネフィットやメリットがあるのかをしっかり提示することが営業活動で必要です。
営業とマーケティングの違い
営業とマーケティングは似ているようですが実際は異なります。
マーケティングとは企業が持続的に利益を得るために、多くの顧客に製品やサービスを紹介するための活動です。
マーケティングは市場やターゲットに対して販売促進を行い「モノやサービスが売れるための仕組み」を作るのに対して、営業は顧客にそのサービスや製品を実際に売って「利益を生み出す」ことが仕事です。
営業活動を成功させるためにはマーケティング部門と営業部門がコミュニケーションをしっかり取り、共通理解を図ることが非常に大切になってくるので覚えておきましょう。
営業の種類
営業には9つの種類があります。
- 新規営業
- 既存営業
- 個人営業
- 法人営業
- ルート営業
- 代理店営業
- 反響営業
- インバウンド営業
- アウトバウンド営業
それぞれの営業の特徴について解説します。
新規営業
新規営業とは新規顧客を開拓するために行う営業活動のことを指します。
新規営業に使われる手法は主に下記の3つです。
- テレアポ営業:顧客に事前に電話で面会の予約を取り付けて訪問する営業
- 飛び込み営業:顧客に事前に面会の予約を取り付けずに突然訪問する営業
- プル営業:顧客からの問い合わせがあったら行う営業
それぞれメリットとデメリットがあるので、状況に応じて使い分けることがおすすめです。
既存営業
既存営業とは既に取引経験のある顧客に対して行う営業のことです。
製品やサービスの継続的な利用、単価のアップや社内の他部署の紹介を主な目的としながら営業活動を行います。
最近は市場が飽和してきているため、企業の利益を上げるためには新規顧客を獲得するよりも既存顧客と永続的な関係を維持する方が重要であると考える企業が増えてきました。
そのため既存営業に対する注目度が上がっています。
個人営業
個人営業とはその名の通り個人に対して営業活動を行うことを指します。
営業をかける相手と決済者が同じ相手であるため、営業活動がスムーズで短期間で済むという特徴があります。
電話で事前にアポイントを取ってから実際に面会に行ったり、何の連絡もなしに飛び込みで営業に訪問したり、企業のホームページにあるお問合せページからコンタクトをとって営業活動のために訪問するなど営業手法は様々です。
法人営業
法人営業とは企業、組織、そして団体を対象に行う営業活動のことを指します。
個人営業と比べて取引するサービスや製品の量が膨大で大規模です。契約金額も増加するでしょう。
法人営業では顧客との関係構築、論理的に相手を納得させる力が非常に重要です。
定期的に顧客と連絡を取り合ったり、プレゼンの前には入念なリサーチをしたりデータを収集することが成功のポイントになります。
ルート営業
ルート営業とは既に取引関係がある企業を定期的に巡回訪問する営業のことを指します。
ルート営業を定期的に行うことで、既存顧客との関係構築や関係の維持につながるでしょう。
また、定期的に巡回することで顧客の新しいニーズや課題を見つけ出し、最適な解決方法を提案できることが望ましいです。
代理店営業
代理店営業とは商品やサービスを提供する企業の代理店として行う営業活動のことです。
メーカーやそのサービスを提供する企業と代理店契約を結んで、販売実績によってインセンティブを得られるという仕組みになっています。
数多くある代理店の中から自社を代理店として選んでもらうためには、実績、効果的な営業スキル、方法などを企業に明示できる必要があるため営業活動の中でも難易度が高いです。
反響営業
反響営業とは顧客からの問い合わせに対応する営業のことを指します。
他の営業活動と異なり営業担当者が主体ではなく顧客の方が主導権があります。なので営業担当者は受け身のような形です。
顧客から問い合わせがあったら、日程を調整し面談の予定を決めます。
ほとんどの場合、あなたの企業のサービスや製品に興味を持って問い合わせをしてきているので、契約成立の確率が最も高い営業スタイルです。
インバウンド営業
インバウンド営業とは見込み顧客に対して電話やメールを使い、直接顔を合わせずに営業することをいいます。
内勤営業やテレアポ営業と非常に似ていますが、違いは顧客の課題を目に見える形にして購入まで導くという点です。
アウトバウンド営業
アウトバウンド営業とは企業の方から顧客にアプローチをかけて、顧客の獲得や販路の拡大を目指した営業手法のことを指します。
新規営業に似ており顧客にアプローチをかける際には顧客との面識がないことがほとんどで、テレアポや飛び込み営業といった手法を活用することが多いです。
営業に必要なスキル
続いて優れた営業マンになる上で必要なスキルをご紹介します。営業に必要とされるスキルは下記の7つです。
- 傾聴力
- 課題発見力
- コミュニケーション力
- タイムマネジメント能力
- ロジカルシンキング
- マーケティング能力
- クロージング能力
それぞれのスキルについて詳しく見ていきましょう。
傾聴力
営業と聞くと商品やサービスの魅力を説明できることが最重要だと考える方が多いかもしれません。
確かに営業はプレゼンテーション能力や説明能力も必要ではありますが、傾聴力も同じくらい大切です。
逆に傾聴力がないと、相手へのプレゼンや説明がムダになってしまうこともあります。
それは顧客の悩みや課題をきちんと傾聴することで、彼らが抱える問題に対して最適なソリューションを提案することができるようになるからです。
まずは相手の話にじっくりと耳を傾け、共感する姿勢を見せるように心がけてください。
課題発見力
全ての顧客が上手に課題を明確化したり言語化できるわけではありません。
仮に上手に説明できていたとしても、まだ表面化されていない課題や問題がある可能性もあります。
そのような顧客に対しては傾聴するだけではなく、彼らが抱える問題や課題を発見し言語化できる課題発見能力が求められるでしょう。
コミュニケーション力
コミュニケーション能力は営業活動をする上で最も大切なスキルと言っても過言ではありません。
顧客に製品やサービスの情報を正しく、かつ分かりやすく説明できる必要があります。
また、顧客にプレゼンテーションする際には相手を納得させられるように論理的に説得することができるスキルも必要になるでしょう。
タイムマネジメント能力
タイムマネジメントとは時間管理のことを指します。
営業担当者はスケジュールの管理はもちろん、限られた時間の中で最大限の利益を生み出せるようなタイムマネジメント能力も必要です。
営業担当者は営業をするために相手企業を訪問するだけでなく、プレゼン資料の準備、社内会議、納品や請求に関する手続きなど、数多くの業務があり多忙です。
このような忙しいスケジュールの中で、時間を有効活用して業務を遂行するスキルが必要不可欠になってくるでしょう。
ロジカルシンキング
ロジカルシンキングとは論理的思考能力を意味し、物事を体系的に整理して筋道を立てて考える力のことを指します。
論理的に筋道を立てて顧客に製品やサービスを説明することができると、説得力が増すので相手を納得させることが容易になるでしょう。
他にも売上が低迷している時や顧客との間にトラブルが発生した時に、ロジカルシンキングであると問題を解決し適切な対処法や解決法を見出すことができます。
マーケティング能力
上記にもありますが営業とマーケティングは連動しています。
売り上げを上げるためには多くのリードを獲得することが大切です。
マーケティングに関する知識やスキルを持っていると、展示会、セミナーといったオフラインだけでなくSNSやWeb広告を活用したオンラインでの新規開拓営業が可能になります。
これはさらに多くのリード獲得につながる可能性が高まります。
クロージング能力
営業活動で特に重要なのがクロージング、つまり相手と契約が成立するかどうかというタイミングです。
最後の最後で顧客が購入の決断をできないことはよくあることです。
その際に顧客が抱える不安を解消してあげたり、顧客の背を押してあげられるような提案ができると契約成立率や受注率を高めることができるでしょう。
トップ営業マンの特徴12選
次にトップ営業の12の特徴についてご紹介します。優秀な営業マンは下記のような特徴を持っています。
- 顧客目線を持っている
- 逆算思考ができる
- 情報収集を怠らない
- 顧客ターゲットを明確に出来ている
- 決裁者(キーマン)に必ず面会する
- 顧客にピッタリのタイミングで連絡する
- 顧客の業界動向に詳しい
- 顧客の話をよく聞く
- 顧客の質問にすぐ答える
- 自社の強みをきちんと理解している
- 顧客に適した事例を紹介する
- ネクストアクションが決まっている
それではそれぞれ詳しく見ていきましょう。
顧客目線を持っている
優秀な営業マンは顧客の課題や問題に親身に寄り添い、解決のために全力を尽くすことができます。
このような姿勢を示すことで顧客からの信頼をより強固なものにし、より継続的な関係を築くことを可能にします。
逆算思考ができている
優秀な営業マンはマルチタスクが得意です。
それぞれのタスクのゴールを把握し早めに準備を始めたり根回しをすることができるので、多くの営業案件に着手することができます。
情報収集を怠らない
優勝な営業マンはアンテナが高く、常に新聞、本、セミナーなど様々な媒体を使って最新情報を入手し、営業活動に応用する努力をしています。
このように最新の情報を入手することで、先を見越した提案を顧客にすることができるようになるのです。
また、さまざまな知識を持っておくことで顧客とのコミュニケーションをスムーズにさせる役割も果たすので、営業マンにとって情報収集は非常に大切です。
顧客ターゲットを明確にする
優秀な営業マンは顧客ターゲットを明確にすることが得意です。
彼らは訪問しやすい顧客を選んで訪問を行います。
代わりに取引実績が多く、売り上げの拡大の余地がある顧客を優先的に訪問します。
決裁者(キーマン)に必ず面会する
優秀な営業マンは必ずキーマンである決裁者に最低一度は面会するようにします。
それは決裁者に挨拶するだけでも成約率が大きく変わることを知っているからです。
顧客にピッタリのタイミングで連絡する
顧客にとってピッタリのタイミングとは商品の更改、買い替えの時です。
このようなタイミングで連絡すると、相手がありがたがるだけでなく次の商品やサービスの成約率が高まります。
ベストなタイミングで連絡するためには、顧客管理をしっかりすることが大切です。
顧客の業界動向に詳しい
顧客の業界同行や最新ニュースに詳しいと、相手からの信頼を勝ち取りやすくなります。
これらの情報を入手するためには、相手企業や競合他社のホームページを利用しましょう。
顧客の話をよく聞く
優秀な営業マンは自社の製品やサービスの魅力を長々と話す人ではありません。
相手の話をじっくり聞いた上で相手が抱える問題や課題を特定し、その解決にベストな商品やサービスを紹介できるのが優秀な営業マンです。
自社のサービスや製品の紹介は最低限度にとどめるべきでしょう。
顧客の質問にすぐ答える
優秀な営業マンは顧客にアプローチする前の準備段階で、相手からの質問を想定し回答の準備をしています。
仮に想定外の質問をされた場合もすぐに調べて早く解凍するように心がけています。
このような素早い対応をすることで、相手からの信頼を高めることに繋がるのです。
自社の強みをきちんと理解している
優秀な営業担当者は自社の製品やサービスの細部まで知り尽くしているものです。
もし自分の知識が不十分であると認識している場合は常に勉強しています。
自社製品やサービスを知り尽くすことで、それらの魅力やメリットを余すところなく顧客に伝えられるようになるのです。
少なくとも製品やサービスの機能、特徴、メリット、効果、そして強みをしっかり把握してから相手との商談に臨みましょう。
顧客に適した事例を紹介する
あなたの顧客は、競合他社が自分たちが抱えている課題や問題をどのように解決してきたのか非常に興味を持っています。
そのためあなたがその顧客が抱えている問題や課題に類似しているケースの話をすると、高い関心を示すことは間違いないでしょう。
また、それらの課題や問題をあなたの企業が過去に解決した実績を知ると、より信頼度が高まり成約率のアップにも繋がるはずです。
ネクストアクションが決まっている
優れた営業担当者は常に次の一手や行動を考えています。
このようなネクストアクションを決定させるためには、商談の進捗状況をしっかりと把握することができる可視化された案件管理が不可欠です。
営業活動の流れ、ステップ
次は営業活動の流れ・ステップについてご紹介します。営業活動の流れは下記の通りです。
- 事前準備
- アプローチ
- 傾聴
- プレゼン
- クロージング
- アフターフォロー
それぞれのプロセスでやるべきこととポイントについて詳しくご説明します。
事前準備
まずは事前準備として、社製品やサービスを売り込むための顧客の選定を行いましょう。
そして、顧客の選定が終わったら相手企業のホームページをチェックし、相手が抱えてそうな課題や問題を予測します。
次に自社の製品やサービスがどう解決できるかを説得するための方法を考えましょう。
アプローチ
実際に見込み顧客にアプローチをかけます。
テレアポ、飛び込み営業など方法はいくつかありますが、テレアポが最も効率的なのでおすすめです。
事前に相手企業に電話で連絡をし、面談の約束を取り付けてから訪問しましょう。
訪問する日程が決定したら、相手企業に対する資料やプレゼンの準備を始めます。
傾聴
自社製品やサービスを売り込む前にまずは相手企業の話をきちんと傾聴し、彼らが抱える課題や問題点を聞き出してください。
事前準備の段階で相手企業に関するリサーチは済ませていますが、あくまでそれは補助的なもので実際に相手から直接聞き出すことが大切です。
プレゼン
ご自身のリサーチや顧客からのヒアリングをもとに、ソリューションとなる製品やサービスのプレゼンを行います。
ここでは自社製品やサービスがいかに優れたものであるかを説明するのではなく、それらが顧客にどのような価値を与え、どのように課題を解決できるのかという点にフォーカスしてプレゼンすることが大切です。
クロージング
相手の購入意欲が高まったら契約成立に向けてクロージングに入ります。
相手の購入意欲を削がないように相手の不安や疑問を解消し、背中を押してあげるようなアプローチをすることが大切です。
その際には顧客に購入後のイメージを具体的に持たせることを心がけましょう。
相手の購入を検討する期間を短縮化させる効果があります。
アフターフォロー
クロージングが終わったからといって営業活動が終わるわけではありません。
アフターフォローとして顧客と定期的にコミュニケーションを取り、自社製品やサービスによる不具合、トラブルが発生していないかを確認する作業を忘れてはいけません。
このアフターフォローをきちんとすることで相手からの信頼を勝ち取ることができ、継続的な関係を維持することができます。
営業スキルを身につける方法
最後に営業スキルを身につける方法を3つご紹介します。
日々の業務を振り返る
学習を続ける
SFAを利用する
1つずつご説明します。
日々の業務を振り返る
日々の業務を振り返って上手くいったこと、改善すべき点を洗い出してみましょう。
例えば顧客との商談の際「プレゼン導入の部分で、ああいう説明をすると分かりづらかったのかな?」「こういう説明をすればもっと説得力が増すかもしれない」と考え、その振り返りを次回の商談に生かすことで営業スキルをさらに高めることができるようになります。
学習を続ける
これは営業担当に限らず全ての社会人に言えることですが、日々の学習は非常に大切です。
余力があればセミナーや研修に、ない場合はYouTubeやポッドキャストを視聴したり営業に関連する書籍を読んでみるなど、自分の仕事に対して自己投資をしましょう。
そして、そこで学んだことを実際の場に生かすことでより学びを深めることができるのでおすすめです。
SFAを利用する
SFA とは「営業支援システム」のことを指します。
SFAを活用することで分の行動パターン、営業成績、強みや弱みといったデータを入手することができるでしょう。
ここで自身の弱みを発見し、次回以降の営業活動に活かしていくことで更なる成長に繋がります。
まとめ
営業はビジネスが利益を生み出し続ける上で必要不可欠な活動です。
しかし、良い営業マンには求められる資質やスキルが数多くあります。
これらのスキルや資質は経験だけでなく、日頃のあなたの努力によって身につけることができます。
この記事を参考にしながら営業活動を行うことで、あなたの営業成績は伸びていき良い営業マンになることに近づいていくでしょう。