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ソリューション営業とは?基礎知識、求められるスキルなどを徹底解説

「ソリューション営業って何?」

「なぜソリューション営業が大事なのか?」

「ソリューション営業を成功させるために必要なスキルは?」

営業担当者でこのような疑問やお悩みをお持ちの方はいませんか?

営業にはさまざまなスタイルがありますが、近年注目を浴びているのがソリューション営業です。

この記事を読むことで、ソリューション営業の意味、注目されている背景、ソリューション営業の流れや求められるスキルについて理解することができるのでぜひ参考にしてみてください。

ソリューション営業とは

ソリューション営業とは、顧客が抱えるニーズや課題を解決(ソリューション)するために自社製品やサービスを提案する営業のことを指します。

「提案型営業」と呼ばれることもあります。

闇雲に自社製品やサービスを売ろうとするのではなく、まずは顧客の話を傾聴してから提案するという点がポイントです。

このような営業をすることで、相手に納得してから購入してもらえます。

また、顧客が満足するソリューションを提供することで相手と長期的な関係を築くことにもつながるでしょう。

ソリューション営業が注目されている理由

ソリューション営業が注目されている理由は下記の6つによるものです。

  • サプライヤー視点
  • バイヤー視点
  • インターネットの定着
  • 不況に勝ち残る手段
  • 課題発見が重視されているため
  • 伴走するパートナーが求められているため

それぞれの理由について詳しくみていきます。

サプライヤー視点

インターネットが普及するまでは「情報」には価値があり、顧客にとって営業担当者から聞く情報には非常に価値がありました。

しかし、インターネットやスマートフォンの普及によって情報の入手が容易になったため、サプライヤー側は情報提供だけでなく、顧客が抱える課題やニーズに対する解決策を提案することが求められるようになってきました。

バイヤー視点

現在は情報も製品・サービスも飽和状態で選択肢があまりにも多いため、顧客自身がどの製品・サービスが自社に合っているのかを判断することがますます難しくなっています。

バイヤー自身が、自社が抱える課題やニーズをきちんと把握する必要が出てきました。

そのため、自社製品やサービスについて数多く紹介するのではなく、ピンポイントでその課題やニーズを解決できる手段や方法を紹介する必要が出てきたのです。

インターネットの定着

インターネットの定着により、顧客が容易にオンライン上で商品やサービスの情報を入手して購入することができる時代になりました。

つまり、営業担当者から話を聞かなくても情報を入手できるようになったのです。

それゆえ、従来の営業手法が通用しなくなってきたという背景があります。

不況に勝ち残る手段

長引く不況により、市場での競争がますます熾烈なものになってきています。

その中で他社と差別化し、自社の製品やサービスを選んでもらうための営業手法が求められるようになりました。

このような時代にソリューション営業がマッチするのです。

課題発見が重視されているため

ソリューション営業を通じて顧客の話を傾聴することで、顧客がまだ気づいていない課題や問題が見つかるかもしれません。

それらの課題や問題を見つけられるということはビジネスチャンスを掴むことと同じです。

潜在的なニーズや課題発見によって顧客に価値提供をすることが重視される時代になりました。

伴走するパートナーが求められているため

上記にもあるように顧客は常に課題を認識できているとは限りません。

また、1つの課題が解決しても次に新しい課題が出てくることもあるでしょう。

そのため、顧客は長期的に伴走してくれるパートナーを求めているのです。

営業スタイル

 

ソリューション営業のスタイルは、プッシュ型営業とプル型営業の2種類に分けることができます。

それぞれの特徴と違いについて見ていきましょう。

プッシュ型営業

プッシュ型営業とは自社の製品やサービスを知らない人に売り込む営業手法のことです。

代表的な営業スタイルとしては飛び込み営業やルート営業があります。

プル型営業

プル型営業とはプッシュ型営業とは逆で、クライアント側から行動を起こしてもらうための営業手法です。

例えばウェビナーや展示会などを開催し顧客に参加してもらいます。

そこで、顧客自身に問い合わせや資料請求などのアクションを起こしてもらうといったことです。

ソリューション営業のステップ

つづいてソリューション営業の流れについてですが、下記のようになります。

  • Step1:顧客分析
  • Step2:ヒアリング
  • Step3:仮説立案
  • Step4:仮説検証とヒアリング
  • Step5:製品・サービスのプレゼンテーション
  • Step6:クロージング

それぞれのステップについて解説します。

顧客分析

まずは実際に顧客に対面する前に顧客についての分析を行います。

顧客の会社だけでなく、ライバル企業、業界についても分析することが望ましいです。

それと同時に、あなたの会社がこれまで取引をしてきた企業や案件で類似したものがないかを探しましょう。

もしあれば参考にしてください。

ヒアリング

続いて実際に顧客の元に行って話を聞きます。

このステップが最も重要です。しっかりと顧客の話に耳を傾けてください。

顧客の話を聞きながら、顕在的ニーズだけでなく潜在的ニーズにも気付けることが理想です。

仮説立案

顧客の分析とヒアリングで得られた情報を元に、顧客が抱える課題について仮説を立てます。

そして、その仮説をもとに自社の製品やサービスがその課題をどう解決できるかを考えてください。

仮説検証とヒアリング

そして、ヒアリングによって見つけられた課題について顧客と認識が合っているかを確認しましょう。

このステップを入れておくことで、プレゼンテーションで見当違いな製品やサービスを提案することを防ぐことができます。

製品・サービスのプレゼンテーション

そして、顧客の課題を解決するための自社製品・サービスについてプレゼンテーションをします。

この際には自社の製品やサービスがその課題をどのように解決するのか、取り入れることのメリットやデメリット、そして導入するためのコストなどを説明してください。

クロージング

そして最後にクロージングを行い、商談の成立を目指します。

商談の相手が決済者でない場合は、いつまでに回答をもらえるのかを確認することを忘れないでください。

また、商談後にお礼のメールを送ったりアフターフォローをしましょう。相手との関係構築につながります。

ソリューション営業に必要な能力とは

ソリューション営業に必要な能力は下記の8つです。

  • コミュニケーション能力
  • 分析力
  • 仮説構築力
  • 検証力
  • ヒアリング能力
  • マネジメント能力
  • 関係構築力
  • 企画提案力

それぞれの能力について詳しく説明します。

コミュニケーション能力

営業と聞くと顧客に自社の製品やサービスの魅力を分かりやすく、そして正しく「伝える力」が最も大切なスキルだと思われがちですが、ソリューション営業の場合は異なります。

「伝える力」よりもむしろ「聴く力」の方が求められます。

顧客の課題や不満を聞き取って言語化させるだけでなく、潜在的な課題やニーズを見つけ出す必要があるからです。

分析力

顧客からのヒアリングを聞くだけでは不十分です。彼らが持つ課題やニーズをきちんと把握して、それに見合った解決方法や手段を考える必要があります。

そしてその解決方法や手段とは「良策」であり、かつ自社の製品やサービスを最大限に活かせるものであることが望ましいです。

分析力は簡単に身につけられるものではありません。営業の経験を積むことで少しずつ強化できるものなので、案件をどんどんこなしていきましょう。

仮説構築力

仮説構築力とは、問題を解決するための手段や方法について仮説を立てて、相手にプレゼンテーションをするスキルのことです。

仮説を立てるためには顧客が抱える課題やニーズだけでなく、経営理念や相手企業のビジョンなど相手企業の全体的なことについて理解しておく必要があります。

そのような深部まで理解をしておくことで、相手企業に合ったソリューションを提案できるでしょう。

また、仮説を構築してプレゼンテーションをする際には、競合他社と差別化を意識することを意識しましょう。

差別するポイントは価格ではなく、自社製品やサービスの魅力についてです。

自社製品やサービスをきちんと理解しておく必要があります。

検証力

営業経験を積むほどこれまでの経験や身につけたスキルをベースに仮定を立てますが、時代と共にその経験やスキルが通用しなくなる場合があります。

営業に必要な検証力とは「事実」に基づいて仮説を立てることです。

事実をもとに仮説を検証するためには、相手への状況に合わせた質問が必要となります。

状況とは「新規営業」「初回の商談後」「プレゼンテーション」などのことです。

その状況に合わせて顧客に質問するほど事実を集めることができるのです。

事実を集めるほど顧客にとって最適なソリューションを提案できるようになるでしょう。

ヒアリング能力

ヒアリング能力はコミュニケーション能力に少し似ています。

相手の話を聞く力ではありますが、相手がもっと話をしたくなるようにコミュニケーションをする力のことです。

よく知らない相手に自社の課題やニーズをベラベラと話をする人はあまりいません。

こちらからヒアリング前にリサーチした情報だったり、分析したことについて説明をすることで、相手も「よく調べてきてくれるから、この営業マンだったら信頼できるかもしれない」と考え心を開いてくれます。

このように、相手に話したいと思わせるようなスキルのことをヒアリング能力と言います。

マネジメント能力

顧客の立場に立って課題を解決していくためには、計画の進捗状況や人員の現状などについて把握できている必要があります。

マネジメント能力があることで業務を効率的に進めることができるだけでなく、顧客との信頼関係の構築にもつながるでしょう。

関係構築力

以前は「お客様は神様」という考えがありましたが、ソリューション営業は異なります。

顧客と対等な関係を築き、顧客と共に問題解決をする姿勢を示す必要があるのです。

ときには、こちらがリードをとって顧客の背中を押してあげる場面もあるかもしれません。

逆に無理難題な要求を押し付けられることもあるでしょう。その際は丁重に断る勇気が求められます。

関係構築力とは相手と対等でwin-winな関係を築くことを指します。

企画提案力

実際にソリューション営業をしていると気づくかもしれませんが、顧客の課題や悩みを100%解決できる製品やサービスが自社にあるということはそうそうありません。

しかし、業績を上げるためには自社の製品やサービスをどんどん売っていく必要があります。

優秀な営業マンは、顧客が抱える課題を自社の製品やサービスが解決できるというストーリーや企画を作り上げているのです。

企画提案力とは、顧客の課題と自社の商品・サービスを上手く結びつけることができるスキルのことを指します。

スキルを向上させるには?

ソリューション営業に必要なスキルを向上させるためには、下記の6つの方法があります。

  • 学習プログラムの活用
  • 課題やニーズの仮説立案
  • 本質的な課題を想定
  • フィードバックを繰り返す
  • セミナーに参加する
  • それぞれの方法について解説します。

学習プログラムの活用

日々の営業活動の中でソリューション営業に対する知識やスキルを身につけることが可能ですが、時間がかかるというデメリットがあります。

しかし、学習プログラムを活用することで短期間で効率的にソリューション営業に必要なスキルを育成することが可能です。

課題やニーズの仮説立案

ソリューション営業に必要なのはセンスや勘ではありません。

きちんとした営業プロセスがあり、仮説の立案をすることは最も大切なプロセスの1つです。

課題やニーズに対する仮説立案をするためのスキルを向上させるためには、社内で戦略会議を行い実践することをおすすめします。

本質的な課題を想定

本質的な課題に気づくことができていない顧客もたくさんいます。

営業マンとして顧客の話に耳を傾けながら、言語化されていない課題やニーズを見つけ出し、彼らの代わりに言語化させることが大切です。

そのためにはただ顧客の話を聞くだけでなく、あなたから情報を伝えていくことで本質的な課題が見つかりやすくなるでしょう。

目標を明確にする

営業マンは目標が設定されていますが、その目標だけでなく自分自身で明確な目標を設定することがおすすめです。

目標があることでモチベーションを上げたり維持することができます。

そして、明確な目標によってどのような行動や改善が必要なのかが見えてくるでしょう。

これは営業活動の効率化につながります。

フィードバックを繰り返す

営業スキルをアップさせるためにはフィードバックが必要不可欠です。

営業チーム内で、商談の進め方や提案書作成のやり方についてお互いにアドバイスをし合いましょう。

フィードバックを元に行動を改善することで、営業活動のレベルアップにつながるはずです。

セミナーに参加する

ソリューション営業は上記にもあるように、多種多様な能力が求められる難易度が高い営業手法です。

そのためソリューション営業のスキルを向上させるためには、セミナーや研修に参加して必要な能力をブラッシュアップする機会を設けることが大切になります。

そして定期的にセミナーや研修に参加することで、最新の手法や方法について学べるのもおすすめです。

まとめ

いかがでしたか?

現代はインターネットやスマートフォンの普及によって、ソリューション営業の必要性が高まっています。

しかし、ソリューション営業にはスキルや能力が必要で難易度が高い営業手法です。

ソリューション営業のスキルを上げ、成約率を高めるためにはご自身の努力や社内の協力体制が必要不可欠と言えます。

今後ますますソリューション営業に対する需要が高まることが予想されることからも、自己研鑽に励んでください。