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新規開拓営業開拓とは?顧客獲得のための鉄則、営業手法を解説

営業職は業種により既存の顧客に対するルート営業だけでなく、新規顧客の獲得も必要です。そして新規開拓営業は、ルート営業と手法が変わるため難しいといわれています。

しかし、新規開拓営業も事前に戦略を立て実践することで、成功率は上がるでしょう。

そこで本記事では新規開拓営業とは何か改めて解説するとともに、顧客獲得の鉄則・営業手法についてご紹介していきます。

既に営業に慣れている方も、現状では営業が苦手な方もぜひ参考にしてみてください。

新規開拓営業とは

新規開拓営業とは、既存顧客ではなく新たな顧客に対して営業を行うことです。

取引先やその担当者と初対面なことがほとんどなので、まず信頼関係の構築や情報収集から始まるのが新規開拓営業の特徴です。

その後、本来の目的である企業の商品やサービスの認知を高め、契約へとアプローチをかけていきます。

このように既存顧客を対象としたルート営業より複雑な営業手法です。そのため契約につなげるのは容易ではなく、営業のコツやコミュニケーションスキルが必要となってくるのです。

新規開拓が必要な理由

新規開拓営業はルート営業に比べて約5倍のコストがかかるとされ、これを「1:5の法則」といいます。

営業スキルを要するうえにコストもかかる新規開拓営業ですが、企業に必要とされるのにはいくつかの理由があります。

まずは顧客数・売上の減少リスクを防ぐ目的です。既存顧客でも、何らかのトラブルや景気により契約が終了となる可能性も否めません。

契約が終了となれば、もちろん売上も減少することでしょう。そのため既存顧客の維持だけでなく、常に新規顧客の開拓をし続ける必要があります。

またもう一つの理由は、事業拡大による売上の向上です。新規顧客から企業へ、新しいニーズや収益源を得られる可能性があります。

そして、新しいニーズや収益源をもとに事業の拡大に繋がれば、企業全体に大きな利益が生まれるのです。

新規開拓営業をする前に決めておくべきこと

新規開拓営業において成功率を上げるためには事前準備をしておくとよいでしょう無駄のない営業活動のために、決めておくべきことが3つあります。

営業戦略を立てる

売上や顧客数の増加といった利益目標を達成するために立てられるのが営業戦略です。

営業戦略を立てることで営業資源の無駄をなくし、効率的な売上目標の達成と向上につながるでしょう。

営業先の情報収集・売上目標・目的や役割から、具体的な営業戦略を立てていきます。営業戦略により顧客の悩みやニーズに合った提案ができるようになるのです。

自社に合った方向性を定める

企業にはそれぞれの強みが必ずあります。その強みや提案したいサービス・商品を、取引先へどのようにアプローチしていくかが重要です。

取引先が自社と契約するメリットはなにか、自社の強みはどうしたら理解してもらえるのか事前に考えましょう

また、取引先に提案するには営業スタッフが自社の強みやサービス・商品をよく知っておくことも必要です。

ターゲットを選定する

むやみに営業をかけても時間と労力を消費し、成功率が割に合わないなんてことはよくあることです。

ときには件数を重ねることも大切ですが、ターゲットを選定することで効率的に時間を使うことができます。

また、ターゲットは提案したいサービス・商品に対してニーズが高いことや、見込み顧客から選定することで契約率アップにつながるのです。

2種類の営業手法

ここまでは営業活動の事前準備において覚えておきたいコツをお伝えしてきました。

次は取引先に営業活動を行う際の、2種類の営業手法について解説します。

インバウンド営業

顧客側から企業へ働きかけてもらえるよう誘導する手法がインバウンド営業です。

インバウンド営業として代表的なのは、オウンドメディア、SNSの発信やセミナー、展示会の開催などがあります。

すでに企業のサービスや商品に興味を持っている顧客が相手となるため、成約率も高いといえるでしょう。

また、インバウンド営業を行うためには、マーケティング力とメディアやSNSなどのコンテンツの準備が必要です。

アウトバウンド営業

アウトバウンド営業は企業から顧客へとアプローチしていく営業手法です。

典型的な営業スタイルで、飛び込み営業、テレアポ、メール、ファックスなどがあります。

 

企業側が見込みのある営業先を選べる、事前に必要な準備と資金が少ないのがメリットです。また、アウトバウンド営業は効率が悪い、インバウンド営業に比べると成約率が低いなどのデメリットもあります。

新規開拓営業の7つの鉄則

自社に合った事前準備・営業手法も、営業スタッフのスキルと取引先へ提案するまでのプロセスによって活かされます。

そこで新規開拓の営業活動において心得たい、7つの鉄則を紹介します。

 

営業先の情報収集と課題把握

取引先へサービスや商品を提案するためには、営業先の情報収集と管理が大切です。

電話やメール、訪問した際には企業や担当者の情報、そして商談の内容までをデータ化してまとめて把握しておきましょう。

得た情報をデータにまとめることで、担当の営業スタッフだけでなく誰が見ても取引先の情報を簡単に把握できます。

そして、まとめたデータから営業先が今どのような課題を抱えているのか、また自社のニーズはどこにあるのかを考えていきます。

自社のメリット、強みを明確に提示

新規顧客の開拓では、取引先と自社共に互いの情報が少ない状況での商談となります。

そのため最初に自社のメリットや強みを伝え、企業自体やサービスに興味をもってもらうことが大切です。

また、商談の際には取引先から思わぬ質問が飛んでくる可能性もあります。もしサービスや商品を提案しても、取引先にメリットやニーズをきちんと伝えられなければ成約には至らないでしょう。

自社のメリットや強みを明確に提示できるよう、事前に準備しておきましょう。

KPIの設定とPDCAサイクルの循環

定めた目標に対しての到達率を表す指標がKPI、計画・実行・評価改善のサイクルをPCDAといいます。

このKPIを設定して営業活動を行うことで、最終目標へ向かって効率的に活動ができるのです。

また、KPIと合わせてPDCAサイクルをひたすら繰り返していくことも大切です。もし商談に失敗しても「どこがダメだったのか」「次回はどうしたらいいのか」と振り返ることで、改善点が明確になってきます。

改善点が分かれば、あとはひたすら実行していくことで結果がついてくるでしょう。

新規開拓リストを使う

見込み顧客になりそうな営業先の担当者、企業情報などをまとめた新規開拓リストも作成しておくとよいでしょう。

なぜなら新規開拓リストを活用することで、商談の際の会話や提案方法においての営業戦略が立てやすくなるからです。

また、新規開拓リストはExcelなどで作成することができます。しかし、リストの作成が苦手、時間がないという場合は有料のSFA(営業支援システム)を利用するか外部委託で作成することも可能です。

 

相手に好印象をもってもらう

新規開拓営業ではもちろんサービスや商品が重要ですが、営業スタッフの印象も商談の結果に関ります。

もしサービスや商品が気に入っても、営業スタッフの印象が悪いと契約する気になれませんよね。

そこで取引先に好印象を与えるためには、身だしなみ、姿勢、表情など、見た目の印象がとても大切です。清潔感のある髪型と服装、堂々としてみえるような姿勢、明るい表情と笑顔を意識しましょう。

また、見た目だけでなく相手の話しに対して相槌やリアクションをとり、目を見て話すことでより好印象をもってもらえます。

定期的に情報提供を行う

新規開拓営業では、たった一回のアプローチで契約に至ることはそう多くありません

営業先にきつく断られた、全く興味を示してもらえなかったなどの経験もあるのではないでしょうか。

だからといって契約に至らずに諦めてしまうのはとても勿体ないです。一度うまくいかなかった相手でも、時期やタイミングによって自社のサービスや商品に対して、二ーズが生まれている可能性があるからです。

そのため定期的に自社について情報提供を行いながら、営業先の反応を見てアプローチしていきましょう。

新規顧客と信頼関係を築く

新規顧客と企業がよい関係を築いていくためには、信頼の積み重ねが大切です。

自分のことを深く知らない相手に信頼してもらうことは簡単ではありません。まずは定期的な訪問や電話、メールで関わりを増やしていき覚えてもらいましょう。

そして、営業先からの要望やトラブルがあったときはできる限り対応していくことで信頼が生まれます。電

話やメール、要望やトラブルは迅速に対応することでよりよい印象も持たれるでしょう。

新規開拓の営業手法10つ

先程、主な営業手法としてインバウンド営業とアウトバウンド営業を紹介しました。

この2つの営業手法と、さらに代表的な10つに分けてご紹介します。

フィールドセールス

フィールドセールスとは、飛び込み営業や顧客訪問など外で行う営業活動のことです。

フィールドセールスは直接対面することでサービスや商品の魅力が伝わりやすく、営業先の反応や情報を掴めることがメリットです。

とくに高額な商品や対面での提案が必要な商品を扱っている場合は、フィールドセールスがよいでしょう。

これは顧客と直接対面するので、コミュニケーション力や提案力が求められます。近年では、新型コロナウイルスの影響でフィールドセールスを行うことが難しくなっているのが現実です。

インサイドセールス

インサイドセールスとはフィールドセールスと反対で、電話やメール、Web商談など顧客と対面しない営業活動のことです。

インサイドセールスは時間を効率的に使える、営業スタッフの削減や交通費などで発生するコストを削減できるというメリットがあります。

顧客へのアプローチをインサイドセールスで行い、フィールドセールスで直接提案をするといった連携が可能です。

また、インサイドセールスでは情報共有やアプローチの際の営業力が求められます。

ダイレクトメール

ダイレクトメールとは顧客に向けてメールやハガキ、チラシなどの郵送物にて営業活動を行うことを指します。

伝えたい情報やサービス、商品の魅力をイメージ写真やイラストによって視覚的に伝えることができます。

また、一度に複数の顧客へ営業を行えることも、ダイレクトメールのメリットといえるでしょう。

反面にデメリットも多く準備にコストがかかることや、開封してもらえない可能性もあります。そのためダイレクトメールと連携して、インサイドセールスなどの営業活動が必要です。

オフライン広告

オフライン広告とは、インターネットを使わない広告のことをいいます。

テレビ、雑誌、新聞、看板、交通広告、近年ではデジタルサイネージといった動画でのオフライン広告が主流です。

多くの人の目に留まる、広告内容に適したエリアに絞り込んで広告を出せる、競合が少ないなどのメリットがあります。

効果的なオフライン広告を行うためには、広告の準備期間と運用スキルが必要です。

また、4大マスメディアで広告を出すと、数十万~数百万という巨額なコストもかかります。

Web広告

Web広告とはインターネット上のさまざまなメディアに掲載されている広告です。

オンライン広告ともいい、主にインターネットサイトや検索エンジン、アプリやSNSなどの広告スペースに掲載されています。

2021年にはWeb広告費が初めて4大マスメディアを上回るほど、Web広告の需要が高まってきました。

オフライン広告と同じく、多くの人の目に留まる、広告内容に適したターゲットの絞り込みができることがメリットとなります。

また、少ないコストで始められるため、中小企業にもおすすめの営業手法です。

オウンドメディア運用

オウンドメディア運用とは、企業が保有しているメディアを独自で運用することをいいます。

運用するメディアは、企業のサイト、ブログ、SNS、Webマガジンです。

メディアで作成したコンテンツは消さない限りインターネット上に残り続けるため、企業の資産となります。

また、アウトバウンド営業はプッシュ型と呼ばれ、企業から営業先へアプローチしますがオウンドメディア運用はプル型です。

顧客がオウンドメディアを通して自ら興味を持ってくれれば成約率は高いでしょう。

しかし企業やサービス、商品に対するブランディング力とメディア運用のノウハウが必要です。

SNS運用

SNS運用とはInstagram、Twitter、Facebookなどを活用した営業手法です。

企業のアカウントを作り、サービスや商品の情報や魅力を拡散して多くの人にアピールする目的があります。

そしてオフライン・Web広告はそれなりのコストがかかりますが、SNSは基本的に無料で利用可能です。

一般人が個人で利用できる手軽なツールなので、SNS運用を始めるハードルが低いこともポイントとなります。

営業戦略や方向性を固めてから運用を開始することで、反応率もあがるでしょう。

セミナー・ウェビナー

セミナーを使った営業手法をセミナー営業といいます。また、ウェビナーはオンラインで行うセミナーのことで、Webとセミナーを組み合わせた造語です。

企業が開催したセミナーに顧客達を招いて、セミナー内でアプローチしていきます。

セミナー営業のメリットは、セミナーごとに新規、既存、提案するサービス別など、ターゲットを明確にできることです。

一度に複数の顧客にアプローチするため、コミュニケーション力、提案力、クロージング力が試されます。

顧客ニーズをヒアリングする

営業において顧客ニーズを理解することはとても大切です。また、顧客ニーズには2種類あり、すでにニーズが明確になっている場合は顕在的ニーズです。

ある問題に対して悩んでいる段階で、ニーズがまだ明確ではないのが潜在的ニーズです。中には顧客自身がニーズを把握できていないケースもあります。

そのため顧客の現状を細かくヒアリングし、課題や解決しなければいけない問題を解明していきましょう。

顧客ニーズが把握できたら、それに応えるサービスや商品を的確に提案していくことで成約につながります。

口コミを利用する

第三者の口コミにより、サービスや商品に対しての購買意欲や関心を高める営業手法もあります。

これを口コミマーケティングともいい、最近ではSNSを使い短期間で集中的に注目を集めるバズマーケティングという手法が多くなっています。

低コストで多方面へ一度にアピールできるだけでなく、信頼性の高い第三者の口コミで顧客が関心を持ちやすいことがメリットです。

ただ、口コミを行うのが企業の関係者の場合、ステルスマーケティングというモラル違反となるため注意してください。

まとめ

ここまで新規開拓営業の基本と鉄則、営業手法について詳しく紹介しました。

営業職は企業にとって欠かせない仕事ですが、特に新規開拓営業は上手くいかない、初対面に苦手意識があるという方も多いです。

もちろん性格やセンスも問われますが、事前準備と提案するサービスや商品に合った営業手法で成果につながります。

近年はインターネットやITの普及、新型コロナウイルスの影響に伴い営業手法も変化しています。

顧客のニーズや提案するサービス、商品のアプローチ方法も工夫を凝らすことが必要です。

本記事で紹介した7つの鉄則と10つの営業手法を参考に、企業や営業スタッフ1人1人に合った営業手法で成約率を上げていきましょう。