企業の利益を生みだすために、営業は必要不可欠な存在です。アプローチを仕掛けつつ新たな顧客を見出していきながら、売上につなげていかなければなりません。
その中で特に大変と言われるのが新規顧客の開拓で、常に試行錯誤している人も少なくありません。
そこで新規開拓を行っていく上で掴んでおきたいコツ、営業手法を身に着けていきましょう。
新規開拓とは
営業の仕事における新規開拓というのは、新たな顧客獲得を意味しています。営業担当として企業と取引を未だに行っていない相手を見つけ出す仕事になるので、一から関係性を構築しなければなりません。
しっかりと信頼関係を生み出すことができれば、そのまま取引につなげていくことができます。信頼関係を作り出すために、その第一歩として様々なアプローチを仕掛けていくことになりますが、効率的に新規開拓を求められるケースは多いです。
新規開拓営業の必要性とメリット
新規開拓を行うことによって、企業に利益を生み出すチャンスが生まれます。しかし新規開拓が滞ってしまうと、利益は徐々に減っていくことでしょう。これは顧客が提供するサービスなどに満足すれば継続して取引が行われますが、必要がなくなれば終了を告げられることもあります。
そこで新規開拓によって、顧客を得ながらリスクヘッジにつなげることができます。取引を終了した分だけ営業によって新規開拓ができれば、利益は維持することができます。
企業にとって新規開拓は必要不可欠で、不測の事態にも対応できるようになると安定した企業経営を行えるようになります。
新規開拓営業とルート営業の違い
新規開拓営業では新たにニーズを聞きながら、提供する商品やサービスを一度も使っていない顧客に売り込んでいくことになります。顧客獲得がメインとなるので、アプローチを通じて関心を持たせて提供することになります。新たな顧客を増やすことで、より売上などに貢献していくことでしょう。
その一方で、ルート営業は新規開拓営業によって見つけた顧客に対してアプローチをかけていきますが、継続して商品やサービスについて利用してもらえるようにアプローチをかけていきます。そしてコミュニケーションなどを取りつつ、売上の確保を意識しなければなりません。
新規開拓営業のコツ
新規開拓営業を行う場合、様々なコツを掴んで活用していくことが重要です。しっかりと下準備を行い、ニーズに応えるように動いていきましょう。
既存顧客を分析する
企業の商品やサービスを利用している既存顧客に対して、細かく分析することで新規開拓営業に活かすことができます。ニーズを生み出し、なぜ顧客となったかをデータから把握しましょう。
そして成果が出ていない時に、どうやって改善を行うかを考えていくこともできます。徹底的に分析しながら、既存顧客が魅力を持ち続けるポイントなどを見出していきましょう。
顧客リストを作成する
顧客管理も新規開拓営業では重要で、対象を見極めていくことが求められます。その上で大量に新規顧客の候補があれば、情報を分析しながら顧客を抽出してリストを作り上げるようにしましょう。
詳細を取りまとめていきながら、より細かく顧客リストを作ると新規開拓営業にも活かすことができます。進捗を確認する際にも活用でき、社内共有も手軽に行うことができます。
手の課題を把握する
個々に様々なビジネスなどで課題を抱えており、新規開拓営業を進める時に提供する商品やサービスが解決できるかどうか判断することもあります。
売り込んでいく相手がどのような課題を持っているのか、しっかりと把握することによって商品やサービスについてのアプローチ方法も変わっていきます。課題を把握して、アプローチ方法を間違えずに新規開拓営業を進めていきましょう。
戦略、アプローチ手法を考える
どうしても新規開拓営業で成果が出ない時は、売り込んでいくエリアなどの戦略を練り直していくのも方法の一つです。理想的なエリアで商品やサービスを提供していなければ、いつまで経っても利益に結びつくことができません。
そして、スムーズに提案できるようにアプローチ手法を見直していくことも必要です。失敗している部分を見出して、改善しながらアプローチをかけていきましょう。
インバウンドとアウトバウンドを理解する
セミナーやオウンドメディアなどを利用するのがインバウンドで、これらは関心を持った人を集めながら情報を効果的に発信して顧客から企業に利用したいと思わせる営業になります。
その一方でテレアポや飛び込み営業などを行いながら新規開拓営業を行うアウトバウンドは、商品やサービスについて企業から顧客に対して積極的にアプローチをかけることになります。業界や個々の強みなどを検討しながら、どちらがいいか判断していきましょう。
反応が悪い見込み顧客は時期を改める
リアクションは人それぞれで、新規開拓営業では見極めていくことも必要です。中には商品やサービスについて反応が悪い時があり、気づかずに過剰にアプローチをかけると失敗してしまうこともあります。
そこでとりたい対応策が、心変わりを狙う意味を込めて、大きなチャンスを失う前に一度撤退します。そして時期を改めてアプローチをかけると関心を持つことがあります。
ただし継続してアプローチを適宜かけて、状況を判断していくことは必要です。
相手を不快にさせないよう気をつける
プライベートでも嫌な印象を与えている時には、相手は次に会いたいとは思わないことでしょう。新規開拓営業も同様で、印象が悪ければ次に繋がりません。特に大切なのが第一印象で、後々のアプローチに大きな影響を与えます。良い印象を持たせて、相手を不快にさせないことが重要です。相手の話を聞いたり、ニーズを引き出せるように丁寧にアプローチをしていきましょう。
代行サービスを活用する
新規開拓営業を活性化するために、営業に関するスペシャリストが手掛ける代行サービスを活用するのもいいでしょう。どうしても新規開拓営業でつまづいている時は、新規顧客を獲得するチャンスを生み出すことができます。
ただしコストがかかってしまうので、状況などを正しく判断して利用するかを検討しましょう。新規開拓営業で一度活用してみても、利益が生み出せない時には避けることも必要です。
KPIの設定、PDCAサイクルを回す
新規開拓営業では目標設定も重要ですが、KPIをあらかじめ設定することが重要です。重要業績評価指標ともいわれ、目標設定時に数値化して達成度合いを確認することができます。
そして、ある程度新規開拓営業を行ってから内容を評価し、改善点を見出していきます。その後再度計画を練って、新規開拓営業に活かしていくことになります。こうしたPDCAサイクルを回すことも重要で、成果が出てこない時に効果的です。
顧客体験を向上させる
顧客が商品やサービスを利用していき、新規開拓営業においては顧客体験を向上させることも求められます。これは利用する前から実際に活用した時のイメージを作り出し、実際に契約してからもフォローを行うまで考えさせていきます。
既存顧客としても長期間商品やサービスについて活用してもらえるケースが多いため、顧客体験を向上させることで満足度も高めることができます。
営業で実践したい新規開拓方法
新規開拓営業を行う上で、実践したい方法が色々とあります。自分に合った方法を見出して、新規開拓営業を確立させていきましょう。
テレアポ
新規開拓営業を行う上で多くの企業がテレアポを行っています。電話をかけて商品やサービスを提供していることを紹介し、資料送付や訪問といったアプローチにつなげることができます。
ときには1日で数百件テレアポを行うこともありますが、企業だと担当者まで繋いでくれないこともあります。成功率アップのためにテクニックを磨きながら、新規開拓営業につなげないといけません。
訪問（飛び込み）
新規開拓営業の中でも飛び込み営業を行う時には、アプローチがない状態で売り込んでいくことになります。直接出向いて情報を伝えていきながら、商品やサービスについて紹介し売るケースも多いです。
またその場で売れなくても、改めてアポイントを取って再度訪問する方法もあります。アポイントを取らずに訪問をするので、時には門前払いになってしまうこともある点に注意しなければなりません。
メール（DM・フォーム）
メールで自社商材やイベントの案内を送ったり、アポイントの依頼をしたりする方法もあります。メールアドレスがわからない場合は、相手にDMを送ったり相手のWEBサイトにあるお問い合わせフォームに送ったりすることも可能です。
定型文を送るだけなので、時間や人的リソースが不足している企業にはおすすめの方法です。しかし開封率、返信率ともに高くはないので、相手に興味をもってもらえるようタイトルや本文の工夫が必要となります。
手紙
特に年配の見込み客に効果的と言われているのが手紙で、営業マンの気持ちも伝わるツールとなっています。レター営業ともいわれていますが、担当者にはちゃんと届くように宛名を書いて送ることになります。
お礼などを伝える際に効果的で、次のアプローチに期待できます。ただし事前に手紙を書く上で、最低限必要なマナーは習得しておくことが重要です。
ネット広告運用
ネット広告を運用していくことは、インバウンド営業として活用できます。主にコストを掛けてリスティング広告などを打ち出していき、より新規開拓営業で注目されるように動くことができます。
スマートフォンなどの普及でWEB関連の広告は見られやすいので、関心を持っている新規顧客を掘り起こすこともできます。ターゲットを正しく定めないとコストが増えてしまうので、効率的な営業をかけていきましょう。
Webサイト、ブログ運営
企業がWebサイトやブログを立ち上げ、運営しながら情報提供していくことで新規開拓営業を進めることができます。興味や関心を持っている人は、商品やサービスについて知りたいと思い調べるでしょう。
その時に立ち上げたWebサイトやブログに行き着くことによって、新規顧客を獲得するチャンスが出てきます。SEO対策などを講じながら、コツコツ運営していきましょう。
SNS運用
企業が宣伝でも活用するSNSを、新規開拓営業で利用すると成果を発揮することがあります。アカウントを作成してから商品やサービスについて紹介したり、動画などをアップして活用事例などを紹介することもできます。さらにコミュニケーションを取ることができるだけでなく、情報の拡散によって新規顧客に役立てることもできます。
ビジネスアプリ
ビジネスアプリも多数リリースされている中で、提供する商品やサービスについてアップデートしながら適宜に紹介することができます。気軽にスマートフォンやタブレットなどで伝えていくことができるので、スムーズに最新情報を提供しながら新規開拓営業を続けられます。それを通して関心を持ってもらうことで、より売上などにつながっていくことでしょう。
セミナー運営
新規開拓営業を行う中でセミナー運営を行うことによって、より具体的に提供する商品やサービスについて集中的に情報を伝えていくことができます。
そもそも関心を持ってもらった状態でセミナーに参加していることもあり、より新規開拓営業がはかどることもあります。最近ではオンラインで開催することもあり、コストパフォーマンスにおいても理想的な営業方法です。
展示会、フォーラムに出展
提供している商品やサービスについて、同じ業界の企業が集まって展示会やフォーラムに出展してアピールすることもあります。
新規開拓営業を行う上でも効率的で、実際に手に取ってもらいながら紹介していくことができます。これが新規開拓営業を進めていく上でも効果的で、良い印象をもたせながらアプローチを続けることができます。
知人や顧客からの紹介
もしも知人や既存顧客で商品やサービスについて関心を持っている人がいれば、紹介してもらうように営業をかけるのも効果的です。これも新規開拓営業の一つで、徹底的にヒアリングを行いながら商品やサービスを紹介できるか確認していきましょう。
知人や顧客からの紹介がスムーズに行くとあっさり契約まで進むこともあるので、効率的な新規開拓営業といえるでしょう。
代理店制度・アライアンス営業
新規開拓営業について代理店を活用することによって、よりスムーズに新規顧客を獲得することもできます。代理店制度やアライアンス営業を新規開拓営業に取り入れることによって、既存顧客からも紹介してもらう機会を増やせます。
アライアンス営業というのは異業種の企業が双方利益を生み出せるように、提携しながら経営していく営業スタイルです。適宜活用しながら新規開拓営業につなげていきましょう。
新規開拓がうまくいかない場合の対処法
様々な方法を検討し実行しても、新規開拓営業が進まない時もあります。原因を見出して、的確に改善しながら新規開拓営業につなげていきましょう。
もう一度相手目線になって考える
独りよがりの営業スタイルを貫いていると、時折アプローチをかけている相手を置き去りにしてしまうことがあります。ニーズをしっかりと捉えられているか、悩みなどにちゃんと応えられているか把握することも必要です。
相手目線を持つことによって、どういったプランが理想的か見直すことができます。改善点などをクリアし理想的な商品やサービスであることを紹介していきましょう。
ターゲットが適切かを確認する
自らが売り出している商品やサービスを利用してもらいたいと、新規開拓営業を行いながら成果が出ない時には検討が必要です。
その中でも成果が出ない時に理想的なターゲットと考えていた顧客が、本当にターゲットとなっているか検討することも求められます。適切かどうか見極めないと、ずっと間違えた新規開拓営業を続けてしまいます。
顧客管理をしっかり行う
時折アプローチをかけていながら、その後全く顧客管理が行き届かずに取引終了となっては意味がありません。顧客になってもらった以上、管理をしっかりと行うことが重要です。
成約率やアプローチの度合いなどで分けていきながら、間隔を開けずに適宜顧客に対するアプローチを検討しなければなりません。そこからニーズも把握していき、社内連携を行う際に活かすことができます。
まとめ
新規開拓営業は多種多様で、それぞれに見合った方法で新規顧客を獲得していくことになります。新規顧客を常に獲得していかなければ、既存顧客が離れた時に新たな利益を生み出すチャンスを減らしてしまいます。
商品やサービスについて潜在的な見込み顧客はあらゆるところにいるので、掘り起こしていくのが新規開拓営業では非常に大変です。テレアポや訪問営業など、日々体力を使うものになってしまうかもしれません。
ただ、新規開拓営業を行うことによって、着実に企業に商品やサービスを売りながら利益を作り出す仕事ができます。様々な手法を学んだり、計画などを練りながらターゲットを絞っていきましょう。そして効率的な新規開拓営業を行って、成果を生み出していきましょう。
