「新規顧客開拓の効率的ないい方法はないだろうか」「営業リストが枯渇していて困っている」など、お悩みを抱える企業や営業マンは少なくありません。
ビジネスを拡大していくためには、新規顧客の開拓は切っても切り離せないプロセスです。
そのため、効率的な新規開拓営業の方法を学んで、企業の営業力を強化しなければなりません。
本記事では、新規開拓営業のコツや方法についてまとめて解説します。
新規開拓とは？
営業の新規開拓とは、新しい顧客を発掘して市場を広げることです。
分かりやすく言い換えると、まだ取引のない顧客と信頼関係を構築して契約してもらうこということです。
新規開拓は自社について全く知らない顧客にアプローチしなければならないことが多いです。
そのため、信頼関係を構築するには多大な時間がかかります。
新規開拓営業の必要性とメリット
新規開拓営業は、ビジネス活動において必要不可欠な要素です。
起業して間もない企業や、切り売り型のビジネスをしている企業は、新規に顧客を獲得しなければ売上が立ちません。
また、新規開拓によって新しい販路を拡大することによって、利益の向上を図ることもできます。
既存顧客の満足度を高めることで売上や利益が向上する場合もありますが、商品や自社の置かれている立場によっては限界があるでしょう。
さらに、新規開拓営業は既存顧客の離脱によるリスク低減にもつながります。
どれだけ親身になって既存顧客に対応していても、既存顧客の離脱が起こる可能性もあります。
新規開拓営業をすることで、既存顧客の離脱によるリスクを低減していく必要があります。
新規開拓営業の3つの条件
新規開拓営業をするうえで、必須となる条件とはどのようなものなのでしょうか。
ここでは新規開拓営業の3つの条件について紹介します。
広くアプローチする必要がある
新規開拓営業は、新規に顧客を獲得して市場を広げる必要があるので、幅広い企業に向けてアプローチしなければなりません。
ただし、対象企業の規模や性質、自社の特色や業種を照らし合わせれば効率的にターゲットを絞ることもできます。
どちらにしてもリストアップした企業に対しては、広くアプローチする必要があるでしょう。
初対面の顧客である
新規開拓営業の条件として初対面の顧客であることが挙げられるでしょう。
営業手法はさまざまな種類がありますが、大きくわけると「新規開拓営業」と「ルート営業」の2種類に分けることができます。
新規開拓営業は、既存の顧客との関係性を深めていくルート営業とは異なる営業方法です。
まだ取引のない新しい顧客と関係を築く必要があるので、高度な交渉力やプレゼン力などが求められます。
顧客が商品・サービスの知識を持たない
顧客が自社の商品やサービスの知識を持たないことも、新規開拓営業の条件の一つです。
前提として、顧客が関心を持っているのは商品やサービス自体ではありません。商品やサービスを使うことによって、どんな課題を解決できるのかを見ます。
自社の商品やサービスはあくまでも手段と捉えていることに注意しましょう。
新規開拓営業のコツ
新規営業の成功率を高めるコツとはどのようなものなのでしょうか。
ここでは新規開拓営業のコツ6選をご紹介します。
既存顧客を分析する
新規開拓営業の一つ目のコツは、既存顧客を分析することです。
具体的には「なぜ顧客になってもらえたのか」「どのような改善を行えばもっと効率的に顧客になってもらえたのか」などを分析します。
そして、分析した結果をもとに自社の営業ノウハウとしてまとめましょう。
既存顧客を徹底的に分析すれば、新規営業の成約率も格段に上がります。
顧客リストを作成する
新規開拓営業の二つ目のコツは、顧客リストを作成することです。
新規営業をする場合、手当たり次第に営業をかけるのは非効率的といえます。
そうではなく、事前に企業のリサーチを行ったうえで顧客リストを作成しておきましょう。
そうすることによって営業業務の効率化を図ることができます。
企業のWebサイトを調査
ここからは、顧客リストの作成方法について深堀りしていきます。
まずは企業のWebサイトを調査しましょう。
インターネットで対象の企業の情報を検索すれば、企業のホームページやファイナンス情報が簡単に手に入ります。
その情報をもとにして、受注率の高い顧客リストを作成しましょう。
対象企業のホームページを見る場合は、IR情報や会社概要、事業概要などを隅々まで目を通しておくといいです。
そうすればエリアや売上高、資本金、細かい事業内容などを理解することができます。
企業リストの購入
企業リストを購入して、質の高い営業リストを入手するのもおすすめです。
企業リストを自力で作ると時間と手間がかかりすぎてしまうので、企業リストを購入しましょう。
世の中には営業目的や業種別に営業リストを販売している業者が多数存在します。
こういった業者は、営業の現場からのニーズを熟知しているので、質の高い企業リストを用意しているのです。
顧客のニーズに合った営業リストが購入できるサービスが多数あるので、気になる方はぜひ調べてみてください。
SNSによる調査
SNSによる調査によって企業情報を入手することも可能です。
近年ではSNSを使って、積極的にプロモーションしている企業が多数存在します。
実際に企業のイメージアップや商品サービスの認知拡大、ファン獲得などを目的としてSNS運用をしている企業は多いです。
SNS運用で使われる代表的なツールとしては、Facebook、Twitter、Instagram、LINE、YouTubeなどが挙げられます。
SNSを使って顧客情報を把握したり、直接対象の企業に対してアプローチすることも可能です。
タウンページや求人サイト
タウンページや求人サイトから企業情報を入手するのもおすすめです。
タウンページは古くから営業リストの情報収集ツールとして活用されてきました。
求人サイトには企業情報が多数掲載されており、業種や特定地域で絞り込みができるので効率よく情報収集することができます。
また、タウンページや求人サイトに情報を掲載するには、審査を通過する必要があるので質の高い企業をある程度選別することが可能です。
企業情報を取得する場合はタウンページや求人サイトも積極的に活用しましょう。
イベントや展示会などの開催
イベントや展示会などを開催して新規顧客を得るのもおすすめです。
自社イベントや展示会を開催することによって、見込み顧客に直接アプローチできたり、自社の商品やサービスの認知を拡大することができます。
見込み顧客と直接対話できる機会はそう多くありません。
もとは他の会社のブースを目当てに来場したという場合でも、そのついでに自社のブースへ立ち寄ってもらえる可能性があるため、貴重なアピールの場として展示会を活用しましょう。
顧客の悩みを見つけ出す
新規開拓営業の三つ目のコツは顧客の悩みを見つけ出すことです。
たとえば100人の顧客がいるとすると、100人それぞれが複雑な悩みを抱えています。
その顧客の悩みを徹底的にヒアリングして、改善案をオーダーメイドで提案しましょう。
きっとその提案はお客様の心を掴み新規顧客となってくれるはずです。
継続的にフォローして信頼関係を築く
新規開拓営業の四つ目のコツは継続的にフォローして信頼関係を築くことです。
新規営業において数回の訪問で契約を取ることは難しい行為といえます。
そのため継続的に顧客の元へ訪問し、少しずつ信頼関係を構築することが大切です。
その際は顧客にとって有益な情報を与えると、より信頼してもらえるようになるでしょう。
反応が悪い見込み顧客は時期を改める
新規開拓営業の五つ目のコツは反応が悪い見込み顧客は時期を改めることです。
営業をしていると自社の商品やサービスに対して、反応が悪い顧客に遭うことは少なくありません。
しかし、最初の反応が悪いからといってすぐに諦めてしまうのはやめましょう。
時期を改めて営業すれば契約が成立することもあります。
代行サービスを活用する
新規開拓営業六つ目のコツは代行サービスを活用することです。
代行サービスを利用すれば営業のスペシャリストが新規案件を獲得してくれます。
ただし、代行サービスは大きなコストがかかるため、自社の財務状況を踏まえたうえで検討することが大切です。
新規開拓営業の方法
新規の顧客を獲得するためにはどのような方法があるのでしょうか。
最後に新規開拓営業の方法について紹介します。
デジタル×営業
パソコンやスマートフォン、メールなどを使ってオンラインで営業を行うのは非常に有効な手段です。
ここではデジタルセールスについて解説します。
Webサイト運営
Webサイトやブログを運営して新規開拓する営業方法があります。
この方法では、Webサイトを使って自社の製品やサービスに関する情報を発信し、顧客に関心を持ってもらいます。
そして、資料請求やお問い合わせをしてきた顧客に対して営業をし、新規の顧客を獲得するのです。
顧客自らが興味のある情報を探して自社のサイトに訪問しているため、成約や商談がしやすくなるでしょう。
この方法で重要なのはSEO対策をして検索順位を上げ、顧客の目に留まりやすくなるようにサイト設計をすることです。
ただし、SEO対策の結果はある程度時間がかかる点に注意しましょう。
SNS運用
自社のSNSを運用することも新規開拓営業の手法として挙げられます。
現代ではSNSの利用率が上昇傾向にあるので、SNSを運用してユーザーにアプローチしていくのは非常に効果的です。
また、SNSは拡散力が高いので、一度自社の商品やサービスがインターネット上で広く認知されるようになると、大きな利益を得られる可能性が高まるでしょう。
そのため、企業アカウントを作成し自社商品の魅力や活用事例などを積極的に発信しましょう。
ポータルサイトや比較サイトへの掲載
ポータルサイトや比較サイトへ掲載するのも新規開拓の手法の一つです。
ある分野に特化して情報を掲載しているポータルサイトや、比較サイトに自社の情報を載せることによって多くの見込み顧客にアプローチすることができます。
こういったサイトは企業だけではなく、一般的な顧客もよく使うサービスなので、一般消費者に向けて直接商品を提供することも可能です。
ポータルサイトの中には無料で情報を掲載できるサイトもあるので、気になる方はぜひ調べてみてください。
オンラインイベントへの出展
新規の顧客を獲得したい場合は、オンラインイベントへの出展を検討してみましょう。
オンラインイベントは、自社だけの力では集客できないような多数の見込み顧客に対してコンタクトを取ることができます。
自社でオンラインセミナーを開催する方法もありますが、自社だけでは集客するのが厳しいという企業も多いはずです。
そんなときは大規模なオンライン展示会やイベントに参加して、自社用のブースを設営しましょう。
コンテンツマーケティング
デジタル営業手法の一つとして、コンテンツマーケティングが挙げられます。
コンテンツマーケティングとは顧客に価値のある情報を配信し、購買につなげるマーケティング手法です。
コンテンツを作成するのは非常に手間と時間がかかりますが、一度コンテンツを作成してしまえば半永久的な営業ツールとして活躍できます。
オウンドメディアやブログ、メルマガなどの良質なコンテンツを作成して顧客へアプローチしていきましょう。
アナログ×営業
非効率で無駄が多いといわれているアナログ営業ですが、リアルタイムで顧客のニーズを確認できるなど、アナログ営業にしかない強みもあります。
ここではアナログマーケティングについて見ていきましょう。
参考元：マケフリ「営業の新規開拓方法12選｜BtoB営業における営業リストの作り方」
展示会
オフラインの展示会を開催、または出展することで、新規の顧客を獲得する方法もあります。
日本ではさまざまな業種の展示会が開催されており、主にBtoBの企業や団体が顧客となることが多いです。
そのため自社で展示会を開催したり、合同展示会やパブリックショーに出展することによって、顧客に対して直接アプローチすることができるでしょう。
展示会は優良顧客になり得る見込み顧客に接触できるいい機会なので、ぜひ積極的に活用してみてください。
営業代行
新規開拓の手法として営業代行サービスを活用することが挙げられます。
営業を代行してくれる業者は、高度な営業スキルや豊富な知識を持ったプロフェッショナル集団です。
そのため、自社で営業を行うよりも成果を得られやすいでしょう。
また、営業代行に依頼すれば自社の教育コストを削減できるというメリットもあります。
「自信のあるサービスがあるけれど、良さが伝わらず売れない」「営業ノウハウがなくて集客に困っている」という方はぜひ営業代行サービスを活用してみましょう。
オフライン広告
オフライン広告を使って、自社の商品やサービスの宣伝を行うことも新規開拓営業の方法の一つとして挙げられます。
オフライン広告とはインターネットを介さずに行う広告のことです。
具体的なオフライン広告の種類としては、テレビ・ラジオ・新聞・雑誌・フリーペーパー・看板などが挙げられます。
オフライン広告はエリアを絞って見込み顧客にアプローチできたり、オンライン広告では届けられないリーチ層まで広告を届けられたりするというメリットがあります。
そのため、オンライン広告だけではなくオフライン広告も有効に活用しましょう。
紹介
新規開拓の方法として既存顧客や知人に紹介してもらう方法もあります。
インターネット上の情報は信頼度が低い情報も多い傾向にあるので、既に付き合いのある顧客や知人から紹介してもらうほうが、話を聞いてもらえる可能性が高くなるでしょう。
ただし、顧客の信頼を損ねるような行為をしてしまった場合、紹介者である既存顧客や知人に対して迷惑をかけてしまうというリスクもあります。
信頼関係を壊さないように十分注意して対応しましょう。
社内の名刺収集
新規開拓の手法として社内の名刺を収集することも挙げられます。
経営層や営業担当者は、有効に活用してこなかった名刺を多数持っていることが多いです。
その眠っていた名刺をまとめれば営業リストになり、新規で営業活動を展開することができます。
名刺管理サービスを活用して名刺を管理しておくと営業リストを作成しやすいので、こういったサービスも積極的に取り入れておくといいでしょう。
まとめ
ここまで新規開拓営業とは何か、実際に営業するときのコツや方法について説明してきました。
新規開拓営業はどのような形であれ企業にとって必要不可欠です。
そのため、新規開拓に必要なスキルを身につけて成果を拡大していきましょう。
現在、新規開拓営業で成果が出ずに悩んでいる方は、今回紹介した新規開拓営業のコツを参考にして実際の現場で試してみてください。
最初は失敗が多く挫折するかもしれませんが、長期的に継続していけば自分なりの営業スタイルを掴めるはずです。
どうしても営業が上手くいかない場合は、営業代行会社を上手に活用して自社の運営を円滑にしていきましょう。
